新選組血風録 近藤勇

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幕末風雲急を告げる元治元年六月、守護職松平容保の配下にあって京の治安を一手に委ねられていた新選組は、隊長近藤勇以下倒幕派の志士が結集する池田屋に凄絶な斬り込みをかけた。江戸深川、北辰一刀流の伊東甲子太郎が篠原泰之進他門弟を引き連れて新選組に投じたのはその年の暮だった。伊東は新選組を倒幕派に引き込もうとする下心を秘め、篠原は女と酒にひかれての京入りだった。慶応元年、新選組は総勢百五十名に達し、局長近藤勇、副長土方歳三、山南敬助、伊東は参謀に篠原は監察の任に就いた。慶応二年、薩長土三藩の連合体制成り、藷藩の勤皇浪士は競って上洛、一触即発を防ぐものは新選組あるのみだった。

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